AFTER LANDとは

AFTER LAND(アフターランド)の意味は、直訳のまま「その後の国」という意味。

 

これまでに人類は様々な歴史を積み重ねながら数多くのことを学んできたはずなのに、2020年代に突入してもなお戦争や迫害、虐殺などといった短絡的な選択肢に手を伸ばしてしまう政府や国家は後を立たない。

そう言ったものが、時代遅れの愚かな遺物として扱われる未来を我々は目指さなければ、それはいつしか自分たちの身にも降りかかる現実へと直結することになる。

 

本当はいつだってただ楽しく愉快に生きていたいだけだからこそ、私たちは時には意志を持って遊ぶことも大事にしなければならない。

国家間や権力闘争のパワーゲームに与することなく、誰が上だとか下だとか、人種がどうだ、民族がどうだと他者をカテゴライズすることがナンセンスなものでしかなく、理想とするべき世界(友人である松本哉の言葉を借りるなら「革命後の世界」)を今のうちから意思を持って実践していく必要があると考えAFTER LANDと命名された。


- 企画に込められた意志 -

この企画はパンクバンドばかりを集めた野外音楽フェスになります。

パンクというものには粗暴なイメージが付きまといがちですし、そもそもパンクという概念自体が人それぞで何かに規定されるものではないのですが、私たちの好きなパンクは、様々な社会問題や個人個人の苦しみに寄り添う姿勢、差別や暴力に対する毅然とした態度、固定概念や同調圧力に屈しないメッセージなどです。

そういった音楽やファッションを超えた文化だからこそ、これまでパンクは世界各地のあらゆる社会で多大な影響を及ぼしてきました。

 

だからこそ、我々は今ライブハウスから飛び出してパンクという文化を外に向ける必要性を感じています。

冷笑的な社会の中で、自己責任を押し付けられる社会の中で、誰かの希望の芽を潰さず「自分の言葉を持つことは格好わるいことでも恥ずかしいことでもない」と、いつかの未来のために希望を紡いでいかないといけない気がしています。

 

少し話は飛びますが、沖縄に観光で来るお客さんの中に、たまに愛知の豊田から来たという人と出会うことがあります。

彼らの話の中で、中学、高校の頃などに駅前で無許可で行われていた「炎天下ギグ」というイベントに衝撃を受けてパンクに興味を持ち始めたと語る人が度々現れます。

そういった話を聞くたびに、何気ない日常生活の空間で主体性を持った人たちによって発信された音楽は、たとえその時言葉が聞き取れなかったとしても、そのとき何かを決意しなくても、いつか誰かの肥やしとなり、何かを変えるきっかけや力になるのだろうと確信めいた感情とともに、野外でパンクイベントをやることの意義を感じています。

 

だからこそ、AFTER LANDはただの一音楽イベントではなく、あえて企画自体に意思を乗せたものしました。


- 参加者のみなさまへ -

上記の文を読むと、なんだか背筋が伸ばされるような気持ちになりますが、別にこのイベントは政治集会でもなんでもありません。

また、全員が全員、様々なことに問題意識を持って参加しろというものでもありません。

プラカードもなく、シュプレヒコールもなく、余計な肩肘を張らず楽しく浮かれながら過ごして欲しいと思っています。

むしろ、この日は全力で楽しむという熱量の方こそが大事とも言えます。

 

そんな中で、困っている人がいれば手を差し伸べたり(もしくはスタッフに報告してくれたり)、落ちてるゴミを拾ったりしながら、みんなが過ごしやすくいられるような自治空間をつくっていきましょう。